会社法における株式会社は、旧商法における有限会社をも含む会社形態とされています。そのため、商法における株式会社と比べて、機関設計をかなり自由に選べるようになりました。
会社法においては、意思決定機関等について、様々な選択ができるようになっています。
会社法の機関設計は、大会社よりも中小会社、公開会社よりも非公開会社の方が自由に選択できるしくみになっています。
上記の他にも、会社法で新たに定められた会計参与を設置したり、従来から認められていたように、監査役会の代わりに委員会設置会社となることも認められています。
1.「取締役1名のみ」という会社形態は、旧有限会社の機関と同一です。
2.で述べた「取締役+監査役」というのは、会社法では会社規模による監査権限の制限が廃止されたため、監査役の職務は取締役の職務の執行を全般的に監査することとなります。
3.で述べた「取締役+監査役」というのは、 会計のプロが計算書類の作成にかかわることから、1.取締役のみ、2.取締役+監査役という機関設計よりも対外的な信用の向上が期待できます。
5.で述べた「取締役会+監査役」というのは、旧株式会社のうち大会社以外の会社の機関です。
6.で述べた「取締役会+会計参与」というのは、会社法で新設される機関設計です。
7.で述べた「取締役会+監査役会+会計参与」というのは、旧株式会社のうち大会社に適用されていた機関と同様の形態になります。
新会社法における株式会社では、一定の条件下で、これらの機関設計を自由に選ぶことが可能になりました。
小規模な株式会社の場合、商法の規定では、3名以上の取締役を置く必要があることから、名目的な取締役や監査役を置くことにより、法定の人数を満たしていたケースもありえますが、これからは、定款変更をすることにより、形式と実態を合わせることができるようになりました。
会計参与とは?
会計参与とは取締役と一緒に会社の計算書類等を作成する社内の役員であり、新会社法によって新設された役職です。公認会計士(監査法人)又は税理士(税理士法人)がその資格を有します。どんな会社でも、定款で定めれば会計参与を置くことができます。
会計参与を設置する場合として考えれるのは、実績が少ない事業者や中小の事業者が、融資等を受けやすくすることなどがあります。一部の金融機関では、会計参与を設置した会社に対する融資条件を優遇するなどの動きも見受けられます。