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法人登記 会社設立前準備 Part1


会社概要の確定

会社設立において定款認証を受けるにあたり、定款記載項目には、大きく分けて以下の3つの項目があります。

※ここで説明するのは株式会社の定款についてです。

絶対的記載事項

「株式会社」「合同会社」等により多少異なりますが、以下の項目が、定款に必ず規定しなければいけない5項目になります。規定を欠く場合は無効です。

  • 事業目的
  • 商号
  • 本店の所在地
  • 設立に際して出資される財産の価額又はその最低額
  • 発起人の氏名又は名称及び住所

相対的記載事項

「相対的記載事項」とは、定款に記載することで、法的な効力を持つ項目のことです。

例:現物出資、財産引受、発家人の報酬、設立費用など。 特に上記4つを変態設立事項といい、原始定款への記載と 裁判所専任の検査役の調査が要求されます。

  • 変態設立事項
    • 会社が負担する設立費用
    • 発起人の特別利益
    • 現物出資
    • 財産引受
  • 株式の譲渡制限
  • 株券の発行、単元株制度等
  • 株主名簿の閉鎖と基準日
  • 取締役会、会計参与、監査役等の設置について
  • 取締役等の任期について
  • 監査役における、監査権限の限定について
  • 株主総会の招集期間の短縮

任意的記載事項

任意的記載事項とは絶対的記載事項や相対的記載事項とは違い、定款に記載しなくても取締役会の決議などでその効力を発生させることができる事項です。

例:公告の方法、定時株主総会の開催時期、取締役・監査役の員数 、株主総会の議長・事業年度など

事業目的を明確にする

事業目的には、「適法性」「営利性」「明確性」が求められています。会社法施行前までは「具体性」も求められていましたが、会社法施行後は「具体性」までは求められなくなりました。

適法性について

事業目的の内容は、法令や公序良俗に反していないものでなければなりません。殺人の請負や売春斡旋、麻薬販売などは当然認められません。

また、法令で士業(弁護士・税理士・司法書士・行政書士・社会保険労務士など)等の独占業務とされている業務も、事業目的とすることが出来ません。

また、「タバコの製造」や「信書の送達」のように特定の会社にしか認められていない事業目的もあります。

営利性について

株式会社は、株主に対して、会社で得た利益を分配する義務があります。ということは、株式会社は必ず営利が目的でなければなりません。このことを踏まえて「事業目的は営利性のあるものでなくてはならない」という説明をされることがありようですが、これは正しくありません。

旧商法下では会社の目的について一定の営利性が要求されていましたが、会社法上では、全く収益を期待できない寄付等の行為も事業目的に含めることができます。

ただし、収益を上げられない寄付等の行為だけが唯一の事業目的となると出資者への利益分配が不可能ですので、そのような事業目的は認められません。

明確性について

「明確性」とは、一般に広く認知された語句(あくまで現時点において)を用いる必要があるということです。

「広辞苑」「知恵蔵」「イミダス」「現代用語の基礎知識」などに記載があることが明確性の一応の目安となるようです。

類似商号の調査

旧商法時代では、類似商号の使用を制限する規定が存在しました。

これは、「既に他人が登記している商号について、同一の商号もしくは、それと類似する商号は登記できない」というものでした。

そのため、会社を新たに設立する際や本店を移転するときには、その設立先や移転先の法務局で類似商号の規定に抵触する会社がないかどうかを事前に調査しなければいけませんでした。

現在の会社法では、類似商号の規制は撤廃され、「同じ住所で、同じ商号の会社はつくることができない」という内容に緩和されました。したがって、住所が違えば、同一市町村内で、同じ商号、同じ業種(事業目的)で登記をすることは可能になりました。

しかしながら、仮に同じ商号を使ってしまうと、不正競争防止法などの法律に基づいて、既存の会社から商号の使用差し止め請求を受けたり、損害賠償を請求されたりする可能性があります。そのようなことを避けるためにも、一度商号調査をしておいたほうがよいでしょう。

会社商号の制限

商号の選定において、会社法、商法では次のような制限を設けています。

会社の名称等に関する規制会社の名称等に関する規制

会社はその会社の種類に従って「株式会社」や「合名会社」などの文字を用いなければならず(会社法6条2項)、他の種類の会社であると誤認されるおそれのある文字を用いることができない(会社法6条3項)。

会社の名称等に関する規制会社の名称等に関する規制

何人も、不正の目的をもって、他の商人や他の会社であると誤認されるおそれのある名称又は商号を使用してはならない(商法12条1項・会社法8条、旧商法21条)。
これに違反した者は、100万円以下の過料に処せられる(商法13条・会社法978条3号、旧商法22条)。

商号単一の原則商号単一の原則

商人は複数の商号を保有することができるが、同一営業については同一営業所で複数の商号を持つことはできない。

他の商人と誤認させる名称等の使用の禁止他の商人と誤認させる名称等の使用の禁止

何人も、不正の目的をもって、他の商人や他の会社であると誤認されるおそれのある名称又は商号を使用してはならない(商法12条1項・会社法8条、旧商法21条)。これに違反した者は、100万円以下の過料に処せられる(商法13条・会社法978条3号、旧商法22条)。

名板貸しの制限名板貸しの制限

他人に対して自己の商号を貸与した会社は、その他人と連帯して責任を負う場合がある。

商号調査の仕方

商号調査は本店の所在地を管轄する法務局で行います。

登記所に備え付けられた閲覧申請書に、住所・氏名・予定している商号、予定の本店所在地等を記入し、「商号調査簿閲覧」にチェックをつけて窓口に提出し、商号調査簿を閲覧します。(商号調査のための登記簿の閲覧は無料となっています。)

※ 商号調査は、必ず定款作成をする前に行う必要があります。万一定款作成の後にその商号が使えないとなると、定款の費用が無駄になってしまうこともあります。

事業目的の適格性の確認

事業目的とは会社が行う事業の内容・目的です。

新会社法では、事業目的の記載方法がある程度柔軟になりましたが、今まで通り適法性、営利性、明確性は必要です。

事業目的の適格性」の最終的な判断は、登記官の裁量に任されています。

そのため、事業目的の文言が適格であるかどうかを法務局の登記官に事前に確認しなかった場合、登記申請が受理されずに定款の認証手続きもやり直さなければならないという事態も起こりえます。

念のため、法務局で適格性(適法性・営利性・明確性)の確認をしておきましょう。

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